2014年7月19日 第2回 BURAKU HERITAGE 交流会

2014年 7月「第2回 BURAKU HERITAGE交流会 〜ぶらくに興味のあるひと集まれ〜」を開催しました。会場は、昨年12月の第1回交流会と同じ、東京・荒川区のさつき会館です。

 

 全国各地(仙台・東京・大阪・京都)に散らばっている運営メンバーが6人、メンバーの声かけにより集まってくださったゲストが16人参加しました。1歳・5歳・8歳の子どもたちの参加もあり、和やかな雰囲気のなか、部落問題について語り合える時間を持つことができました。

 

 みどりんによる「クイズで押さえる部落問題基本の「き」+忌避意識体感ワーク」では、「部落出身者と結婚しようとしたときに親に反対された。結婚するか、やめるか」「家を購入しようとしたら、そこはどうやら部落のようだ。購入するか、やめるか」といった問い(実際はもう少し詳細な設定あり)を投げかけ、会場の端から端までを、100%YESから0%YES=NOまでのグラデーションとし、それぞれの答えの地点に立ってもらい、その答えの理由も述べてもらいました。たぶん、この企画に参加してくれた皆さんは「私、部落差別します!」という人はいないはずですが、何がよくて何が悪い、とか、何が正解で何が間違っている、とか明確には結論づけられない部落問題をめぐる問いに対しての答えはさまざま、ということが目に見えてわかりました。まずは隠さずにお互いの意見を交わすこと、それが部落問題を考えるためにとても大事と実感しました。

 

 参加者の皆さん同士も和んできたところで、小雨ぱらつくなか、会館の外に出て、2班に分かれてフィールドワークをしました。このために準備をしてきた東京のたみ・みよ・Cのおかげで、地域の歴史と産業、現在暮らしている人たち同士の軋轢を生まないための工夫など、知ることができました。一人で歩くだけでは見えてこないことが、こうやって解説付きで色々考えながら歩くと一気に奥深くなる、これがフィールドワークの魅力です。部落にまつわることがタブー視されているなかで、学び始めるといろんなことが見えてくる、その面白さが体感できる時間となりました。

 

 最後のプログラムは会館に戻り、6つほどの座卓に分かれての「おしゃべりタイム」です。たみ・みよが、母の故郷・和歌山の部落でおなじみのほうじ茶パックを仕入れて準備した「冷たい茶がゆ」をふるまいました。

 

交流会のあとは、懇親会(二次会)も行いました。ここでは、アメリカ暮らしの長いお二人の参加者からアメリカにおける「人権」や「人権教育」に関する話題提供があり、盛り上がりました。アメリカでは最近は、”human rights(人権)”より”social justice(社会的公正)”ということがしきりに意識され、差別の問題を教育する場合も、minority(少数派、社会的弱者)の問題として教えるのではなく、自分の"privilege(特権)"とは何かを考えさせ、majority(多数派)としての自分の立場に気づかせることから始まるそうです。最後には日米子育て比較にも話がおよび、時間はいくらあっても足りないと感じた夜でした。

 

 翌日はメンバーの家で2015年度の交流会の構想を練りました。来年も楽しみです!         

                                  (報告:ともえ)

↓みどりんによるワークショップの様子(これはクイズ中の写真です)