今までのテーマトーク

8月のテーマは「今、隣にいる大切な人に部落についての本を薦めるとしたら、何を薦めますか?また、その理由は?」です!

2回目のテーマトークは本について。みんながどんな本なら人に薦めたいと思うのか、知りたいな~、それを是非読みたいな~という、単純な動機で設定させてもらいました。(たみ)

みよ  部落に関する本をほぼ読んだ事がありません。
なので、お薦め出来る程の知識がありません。
私にもお薦めの本教えて下さい。

(2011/8/11)

たみ  「いのちの食べかた」と「部落差別をこえて」です。大切な人と言われて思い浮かぶ何人かも、普段接している周りの人たちも、部落問題を詳しくは知らない・身近には感じないという人が多いので、部落問題の入門編として「いのちの食べかた」を、その後に私が暮らしている東京の部落問題についての章がある「部落差別をこえて」と読んでもらえたら、部落が何なのか、わかりやすく、少しは理解してもらえるかな、という感じです。

「はじめての部落問題」も好きなのですが、これは部落問題を少し理解している人でないとちょっと理解が難しいようで(あくまでも私の周りの人の評価ですが)、今隣にいる大切な人というテーマにはあわないかな…でも、少し理解したところで是非読んでもらいたい本です。 (2011/8/11)

 

「いのちの食べかた」  森達也著  よりみちパン!セ

「部落差別をこえて」  臼井敏男著  朝日新書

「はじめての部落問題」  角岡伸彦著  文春新書

ともえ   雑誌ですが、「部落解放 2009年8月号 618号」「部落解放 2011年1月号 639号」「部落解放 2011年7月号 648号」をおすすめします。http://www.kaihou-s.com/bl/back_number01.htm#2011
理由:いずれの号にも「部落問題と向き合う若者たち」という特集記事があり、いま20代〜30代の若い部落出身者がどういう思いで、自分が部落出身者であることを知り、そのことと向き合い、いまを生きているか、を本人のことばを通して知ることができるから。インタビューを受けたそれぞれの部落出身者のことばが丁寧にひろわれ、「部落出身であること」を引き受けて生きている若者の共通した部分と、そのように一括りにできない多様性が感じられるから。ページ数も少なめで読みやすいので、ぜひ読んでほしいです!(2011/8/25)

 

「部落解放  2009年8月号 618号」  解放出版社

「部落解放  2011年1月号 639号」  解放出版社

「部落解放  2011年7月号 648号」  解放出版社

りゅうし   どうしても研究書になってしまいますが、いちど部落問題を歴史的にきちんと学びたい人には、黒川みどり先生の著書をおすすめいたします。『つくりかえられる徴―日本近代・被差別部落・マイノリティ』(部落解放・人権研究所)、『近代部落史-明治から現代まで』(平凡社新書)は、「部落差別」についての歴史研究を、どちらも平易で読みやすいものとしてまとめておられます。
意外に知られていないのは現代の問題としての不平等問題。なかでも部落の子どもたちの低学力問題については、鍋島祥郎『見えざる階層的不平等 (ハイスクールウォーズ)』(解放出版社)をおすすめします。高校生に対する丁寧な調査研究。部落の高校生たちがどのような特徴を持っているのか、調査データをもとに丁寧に描かれています。 (2011/8/29)

 

「つくりかえられる徴-日本近代・被差別部落・マイノリティ」  黒川みどり著  部落解放人権研究所

「近代部落史-明治から現代まで」  黒川みどり著  平凡社新書

「見えざる階層的不平等」  鍋島祥郎著  解放出版社

 

みどりん  角岡伸彦さんの「被差別部落の青春」をおすすめします。エピソードでまとめっれてるので、超読みやすいです。
部落問題の基礎的な知識を得ながら、「同じ部落出身者でも受け止め方や生き方はこんなに人それぞれなんやなぁ」という、当たり前だけど大事なことが感じられる一冊だと思います。(2011/9/11)

 

「被差別部落の青春」  角岡伸彦著  講談社

さたやん  たいへんに手前味噌で恐縮ですが「大阪・北芝まんだら物語」をお勧めいたします。

http://www.hcn.zaq.ne.jp/kurashi-net/archives.html

 この本では、私が関わってきた大阪・箕面のムラ・北芝のまちづくり運動を紹介しています。北芝では、同対法が失効するより十年も前から各種交付金を返上し、「自分たちのまちは自分たちでつくる」とNPOやコミュニティビジネスに着目したまちづくり運動を展開してきました。そういった手法は今日まで活き、周辺地域・団体にもネットワークを広げながら、さらなるビジョンを描きつづけています。

 部落の本・・というよりは、まちづくりの本、としての色合いが濃いので、ほんまに「部落」を知りたいと思う人にコレを薦めるべきかは微妙な気もいたしますが、それでもあいかわらずマイナスイメージがつきまとう状況においては「こんな部落もあるんだよ」ということは、もっと世に知れてもいいのかな、とも思います。

 ちなみにこの本、静かに反響を呼んでるようでして、ちまたではこういった事例は世界的にもマレなのでは!?との説まで浮上しています(ホンマかいな!?)。(2011/11/13)